ゴーストバスターズとアップル(スティーブ・ジョブズ)の不思議な関係。

ゴーストバスターズ復活が話題になってますね。

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ゴーストバスターズといえば1984年公開の大ヒット映画。という観点でいうと、ゴーストバスターズとアップルは不思議な関係がいくつかあるんです。

 

1.1984年公開のゴーストバスターズと1984年のアップル

ゴーストバスターズは1984年公開。
アップルの「1984年」といえばスーパーボウルで流された伝説のこのCM、初代マッキントッシュ発売のプロモーション「1984」です。

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内容が過激なだけにアップルの取締役会は放映に反対したのですが、ジョブズジョン・スカリー(砂糖水売っててお前は満足なのか!と口説かれた人です)、ウォズニアックが押し通したCM。スーパーボウルのCMで一度だけ流されて、その後は一度も流されず。スーパーボウルのCMの価値を一気に高めたCMとも言われています。

このCMはスターリンの恐怖政治をテーマに書かれた小説「1984」(ジョージ・オーウェル)が元ネタになってます。

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画面に映る「巨大な体制・独裁者側」をIBMになぞらえていて、途中で会場に入ってきてハンマーを投げこんだ女性がアップルですね。
このCMは監督リドリー・スコット、「ブレードランナー」や「ハンニバル」、今だと「オデッセイ」の監督ですね。そして制作費約70万ドルとも言われていて、当時のレートでいうと約1.6億円(1ドル230円)!!!!!とんでもねー
リドリー・スコット - Wikipedia


CMの最後に出てくる「and you'll see why 1984 won't be like "1984".」というのは、訳すと、「アップルが発売するマッキントッシュにより、あなたたちは1984年が小説の「1984」のようにならない理由を理解するだろう」的な感じでしょうか。


2.ゴーストバスターズとアップル パロディCM

1.はどちらかというと「年」が同じというだけでしたが、2はもっと密接なゴーストバスターズとアップルの関係性です。パロディCMです。

 

こちらをどうぞ、4分と長いのですが、、
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ゴーストバスターズ」の歌詞である「だれに電話する!?」「そう、ゴーストバスターズ!」が、このCMでは「だれに電話する!?」「そう、ブルーバスターズ!」と替え歌で出てきています。

ゴーストバスターズで退治するゴーストの代わりに、このCMで退治するのは「青いIBM」。こんなの放送できないでしょ!というレベルの内容なのですが、もともとこれは1984年、ハワイであったアップルの国際販売会議で、ネタとして社内向けに制作されたものなのでした。なのでジョブズもスカリーもウォズニアックも出演しているぎりぎりアウトなものだけど社内だからセーフなおもしろいものができていたのです。

当時はIBMが巨大すぎたし、ジョブズは本当にIBMが大嫌いだったのですね笑。

 

3.1997年のアップル「Think different.」ゴーストバスターズとは関係なし)

話は少しそれますが、「1984年のアップル」と同じように、もうひとつ伝説的なアップルのCMといえば「1997年のアップル」です。
1997年に発表されたAppleのキャンペーン「Think different.」。1984を知らない方でも「Think different.」は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ではそのCMをどうぞ。

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このCMの背景を少し説明すると、
先ほどの1984年1月のマッキントッシュ発売から数ヶ月、アップルは大量の売れ残り・在庫に悩まされ、従業員を解雇するような危険な状態に陥りました。売れると思ったマッキントッシュは売れず、テンション高かったパロディCMもまったく笑えない状況に。。
そして1985年、ジョブズはアップルを追放されます。しかしその後アップルはさらに危機的な状況に。
反面ジョブズはNext、ピクサーを大成功させて、1997年にアップルに舞い戻ります。

その舞い戻った1997年、アップルを大変革させる際に作ったCMが先ほどの「Think different.」なのでした。
またこのCMでは、以下のセリフをジョブズ自身が話しています、気づきました?気づかなかった方はぜひもう一回観てください。

Here’s to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square holes.The ones who see things differently.

They’re not fond of rules. And they have no respect for the status quo.

You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them. About the only thing you can’t do is ignore them.

Because they change things. They push the human race forward.

While some see them as the crazy ones, we see genius.

Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.


引用文の最後の一文はもう日本でもすっかり有名になりましたね。日本語訳はこちらです

自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから


ジョブズが戻ってきてからのアップルが大躍進、世界を変えたのはみなさんご存知の通りです。

ジョブズが戻ってきてからリリースしたラインナップ

 1998年 iMac
 1999年 iBook
 2001年 iPod
 2003年 iTunes Store
 2006年 MacBook
 2007年 iPhone

「世界最大の技術企業」になったApple社、その10年 « WIRED.jp

Steve Jobs氏がApple社に戻り、1997年に暫定CEOとなった後、Jobs氏は同社の製品ラインをシンプルに統合し、使いやすさやブランディング、魅力的なデザイン、高い利益率といった面での同社の強みを次第にレベルアップし、消費者向け技術製品の新しい領域へと拡大していった。


4.2016年のスティーブ・ジョブズゴーストバスターズ

本当に偶然なのでしょうが、
日本では2016年、奇しくもジョブズの映画が公開され、

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ゴーストバスターズ」は8月公開になります。そう考えるとなんだか不思議な関係だと思いませんか?

1984年からのアップルの歴史を2016年にこういう風に思い返してみるのもおもしろいかもしれませんね。
※映画「スティーブ・ジョブズ」はアメリカでは2015年公開なのですが。