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仕事をする上で大事な視点って何だろう・広告業界はズレているんだろうかという話

東京コピーライターズクラブの広告について怒りを感じられている、とあるコピーライターさん(どなたか存じ上げないのですが)のエントリー。はてブでも上位にあったし、ご存知の方も多いかと思われます。

copywriterseyes.hatenablog.jp


会社に入り仕事を始めた頃、「どこを向いて仕事をするのか」ということを上司から指摘されてたなーってことを思い出しました。


この東京コピーライターズクラブ(TCC)が解散すべきかどうかはわかりませんし、ここに書かれている

誰に、ほめられたいんですか?

「いいね!」と仲間うちに褒められるのもうれしいんでしょうけど、
本当は、誰よりも、一番厳しいあの人に褒められたい。
ですよね?

というコピーが良いとは私も思えないのですが。
これで奮起するようなコピーライターなんて、視点が低くって、狭い社会の中でいる人たちなのかもしれないですね、この方が書かれているように。
ただそれでも、まだまだ誰かにチェックされているような駆け出しのコピーライターが奮起するきっかけになるのであればそこには意味があるのかもと思っています。むしろそれを目的にした広告だったのではなと思いました。

 

話を戻すと、当時の上司に、
仕事には3つのフェーズがあって、
(1)上司を向いて仕事をするフェーズ
(2)顧客を向いて仕事をするフェーズ
(3)自分に向いて仕事をするフェーズ
という順にレベルが上がっていく、早く(1) を抜け出さないとダメだぞと言われたのでした。

(1)上司を向いて仕事をするフェーズ
仕事の成果が良いか悪いかわからず、上司の顔色を伺いながら(上司の顔を伺うことで精度は最低限をクリアすると思います)、とにかく上司に注意されないことだけを目的に動いてしまうような時期。やらされ仕事時期。
※仕事のコントロールをしているのは完全に上司。
 
(2)顧客を向いて仕事をするフェーズ
上司がチェックすることもあるが、基本的には自分でコントロールができるようになり、顧客が満足するレベルのアウトプットを出せるようになる時期。上司の指示よりも、顧客からのリクエストを優先して仕事に向き合える時期。
※ただし仕事のコントロールをしているのは自分ではなく顧客。顧客から「いついつまでに」と無茶な依頼が来ても、自分の予定を無理に調整したりしてなんとかせざるをえない。
 
(3)自分に向いて仕事をするフェーズ
顧客が満足する精度を自分で判断でき、上司の指示やチェックを仰ぐことなく、アウトプットし、顧客から評価され、どんどん成果を出していく時期。
※仕事のコントロールをしているのは上司でも顧客でもなく自分。スケジュールも精度も自分優先で動かせていけるような状況。
 

当時はそうかそうか、顧客のニーズを満たすものを当然のようにクリアして、早く自分のアウトプットに自身が持て仕事ができる(3)のレベルになろうと思ったものでした。

違っているかもしれませんが、このTCCのコピーは
(1)上司を向いて仕事をするフェーズ
の人たちに向けたコピーであったのではなかろうかということ。
決して、既に(2)顧客を向いて仕事をするフェーズ(3)自分に向いて仕事をするフェーズの人たちに向けたものではなかったんじゃないのかなということ。
※そうでなかったとしたら、このコピーは壊滅的にひどいですね。


このエントリーを書いたコピーライターさんは、おそらく(3)自分に向いて仕事をするフェーズにいらっしゃる方なので、

そして何より、仕事をする上では「自分の実感」こそが大事です。「いいコピーがかけ た。」「いい文章がかけた。」そういう実感こそが、何より大切なはずなのです。「自分がどうしても生み出したい」、「書きたい」そういう感情こそが原動力 のはずです。クリエイターと呼ばれる職種ならなおさら。

ということをと仰っているのですが、当然ですね。仕事はそうあるべきですから。

ただし広告主側の意見やビジネスとしての大前提を考慮するのであれば、
いや、違うでしょ?そんなオナニーな理由でコピー書いてるんですか?良いものが書けたと自己満足に浸りたいから日々の仕事をしているんですか?自分で自分を認めたいから、仕事するんですか?
と思ってしまう人も多いのではないかな?と思ったのです。特に広告主。


結局、自分が生み出したいもので自己満足に浸りたいなら、
広告主からの対価としての仕事としてではなく、ブログやtwitterで発表し続ければ良いじゃないか。いいねやRTをもらって社会から認められる感に浸れば良いじゃないか。と。

それよりもまずはユーザーが反応する(売れる・広告主から評価される)ところを目指すべきなんじゃないかと。

この方のエントリーを見て
「ディスられた!」と憤りを感じている人は閉鎖的で、内輪的で、排他的で、「社会のほうを見ていない」なオールドタイプ、
「そうだよ!さすがだよ!」と言っているのがニュータイプ
と思われている方も多くいそうですが、

私は
「ディスられた!」と憤りを感じている人は魂を重力に引かれて飛ぶことができないなんてことすら考えられないオールドタイプ、
「そうだよ!さすがだよ!」と言っている人も実は閉鎖的で、内輪的で、排他的で、「社会のほうを見ていない」旧態依然とした業界人、
「いやそこじゃないでしょ仕事って」と静かに仕事に向き合っている方がニュータイプ
なんじゃないかと、そう思ったのです。


この方の本題は「こういう内輪組織はいらないよ」「自分の実感が大事だよ」ということでした。
確かにそうでしょうし、こういう本質を突いた内部からの良い問題提起をされるからこそ、まずは広告業界がビジネスとして成り立っていることを前提に書いてもらうともっと良かったんじゃないかと。
「閉鎖的、内輪的、排他的だ」とご本人が仰られる広告業界が、
内輪ではなく、外に向けて、ビジネスとして成り立っていることを意識して働いている人がいるんだぞ、ということを多くの人に向けて(とりわけ広告主に)アピールでき、排他性や閉鎖性を解消するきっかけになれたんじゃないかと思ったのです。