2016年は遠隔診療元年? MEDLEYのクリニクス、ポケットドクターなど遠隔診療サービスがリリース
昨日キュレーションメディアについて触れた際に紹介した
「MEDLEY」がこれまでの「医療求人サイト」、「医療情報メディア」に加えて、「遠隔医療サービス」の提供を開始しました。今はまだ精神科外来のみとなっているようですが今後の展開が気になりますね。
clinics.medley.life
参考までに代表瀧口氏のFacebookの投稿を貼っておきます。
本日2月8日のワールドビジネスサテライトで「遠隔診療」についての特集があるようですが、medleyのクリニクスも取り上げられるでしょうか。
後で触れますが、別の事業者(ポケットドクター)は紹介されるようです。このタイミングでのリリースはもしかしたらクリニクスも取り上げられるかもしれません。
2016年は日本での遠隔診療元年?
medleyがリリースしたからというわけではないのですが、2016年は日本での遠隔診療元年と呼ばれるのではないかと思っています。
というのも、2015年8月、厚生労働省がこれまでは限定的としていた遠隔診療をそんな厳しくないよと通達しました。それによって医療事業者が「え、遠隔診療ってそんなに緩かったの!?」と衝撃を受け、各社が事業展開を強化していきました。その結果、この2016年に続々とリリースされ始めているという状況です。
この2015年8月の通達の中身を簡単に言うと、
<before>
1.直接対面診療ができないような僻地だけ!
2.特殊な病気の場合だけ!
3.基本的には対面でちゃんと診療してね!
↓
<after>
1.僻地じゃなくてもどこでもOK!!
2.病気も特殊じゃなくても別に何でもOK!!
3.直接対面がじゃなくてもOK!!
どうでしょうか。この変わりっぷり。
※医療に従事している友人から、この通達はTPPの影響があったため、急いで整えざるを得なかったという話を聞きましたがどうなんでしょうか。
TPPがどうかは置いておいて、2015年11月の日経ネットの記事にも遠隔診療の概要がまとまっていますのでご参考ください。
D2DからD2Pへ
これまで日本では、医師同士をつなぐ「DtoD(Doctor to Doctor)」領域が遠隔医療事業の主流でした。厚生労働省から制限されていた(と認識していた)ため「D2P(Doctor to Patient)」を積極展開できなかったからでしょうか。
「D2D」は医者同士が患者の情報(例えばどこか離れた場所でもカルテや過去の投薬情報など)を持ち合うことで離れた場所でも均一の医療を提供するような内容。
そういう意味では若干異なるが、「D2D」ではご存知、マッキンゼーのパートナーが創業した、時価総額8,000億円以上の「エムスリー」が圧倒的。
医者間のネットワークを構築するサービスを提供している。
それが今回の通達によって、「D2P」医者と患者を直接つなぐ遠隔診療が活性化される傾向となってきています。それがあっての2016年遠隔診療元年(になるかな)です。
遠隔診療 D2P事業者
今回リリースを出したMEDLEY以外にも以下のような事業体が取り組んでいます。
ポケットドクター(株式会社オプティムとMRT株式会社)
こちらは2016年4月から1340医療機関と連携しサービスを開始します。MRTのニュースリリースでも出ていましたが、このポケットドクターはWBSで紹介されるとのことでした。https://medrt.co.jp/news/news-2016-0208.pdf
ポートメディカル(ポート株式会社)
高血圧や禁煙などの特定カテゴリに関してのα版を2015年冬にリリースしましたが一旦クローズ。2016年春にβ版をリリースするということです。
医療サービスは、ユーザーのニーズが常にあるわけではなく、病気になった時に初めて必要になるためにまぁ難しいというのが言われていますがこれからに期待しましょう。
サイマックス(変り種)
起業家鶴岡マリア氏による事業で資金調達のリリースが出ていましたが、その後どうなっているのかはあまりわかりませんでした。
政策的な変更を受けて、今後も遠隔診療に関してはどんどん出てくると思われます。日本の医療費問題は深刻ですし、医療とITとで社会的な課題も解決するビジネスにはこれからも注目が集まるのではないでしょうか。
-- 追記 --
昨日のWBSの放送を受けてtwitterではこういった反応がありました。
ポケットドクターの費用は高いといった反応も見られましたね、
ポジティブ
遠隔診療。病院までタクシーで行くしか交通手段が無い人とかにも朗報だな。通院回数減らすと交通費が助かる.. #wbs
— [ち] (@chongeman) 2016, 2月 8
遠隔診療は慢性病で薬だけ欲しい人とか病院に行くほどじゃないけど気になってることを聞きたい人とかにとってはすごく効率的でいいと思う #WBS
— ぽりん (@sparkling_prism) 2016, 2月 8
ネガティブ
遠隔診療は本来の「人を診る」という医療の本質を逸脱している気がする。人間と人間の繋がりを希薄化させ、医療の質は低下してしまうのではないだろうか。便利・医療費抑制のために安易に進化・発展させて欲しくない。 #wbs
— aquataro0322 (@aquataro0322) 2016, 2月 8
ただの電子カルテにSkypeで遠隔診療で凄い導入費用だな。
— Arthur″heinz″Hilvan (@k2project) 2016, 2月 8
Skypeなんかただなんだからもっと安い電子カルテソフトなんかいくらでもありそう。#WBS
病院にいっても遠隔診療でも医者がハズレだったら終わり #WBS
— ふみふみ (@xb35) 2016, 2月 8
遠隔診療か。診療費の削減に期待というけれど、過剰サービスで医療費増にならないようにだけはしてほしい。不正な診療報酬なども注意かな。 #wbs
— のりたま (@nrtm5000) 2016, 2月 8
その他
遠隔診療した時の支払い方法も触れてほしかったんだけどな。なんかいつも中途半端だよな #wbs
— みどり (@aozora_tea) 2016, 2月 8